アメリカン・コメディ好きの部屋

アメリカのコメディとコメディアンが好きです。時間がある時に更新します。

「カムカムエヴリバディ 」アニーとハリウッドパートについての感想

「カムカムエヴリバディ」ラストの予想は見事に外れました。

森山良子さん、この経歴だとあの役は当て書きなのかな?

 

officeliberty.com

「カムカムエヴリバディ」はドラマの公式サイトの説明文に

「三世代をつなぐファミリーヒストリー」と言うような文が載っていたので、

表のテーマは「ラジオ英会話」だけど、裏テーマは

ファミリーヒストリー」なのではないかと思っている。

 

 

目黒祐樹さんは、お父様が剣戟のスターだったんですね。なるほど。

www.oricon.co.jp

 

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話はドラマ放送時に戻るが。

「カムカムエヴリバディ 」で、森山良子さんが初登場した時、

森山さんがヒロインの安子かどうかを、視聴者が推理し始めた。

もし、これがドラマでなく現実であれば、顔を見たら、

「安子だ」と分かるはずだが(整形等していなければ)

別人が演じている以上、確証が難しかった。

 

www.lmaga.jp

 

また、サンタ役の濱田岳のように、同じ俳優が演じていれば

これも「安子だ」と分かる訳だが、今回、歳をとり

アメリカナイズされた役を、全く違う俳優が演じた事で、

謎が深まり、考察が盛り上がったようだ。

 

どのサイトで見たか忘れたが、作者の藤本さんは、脚本では

アニーが安子かどうか、考察させようと思っていなかったそうなので、

映像化の時点で、偶然にミステリーが生まれたのだろうな、と思う。

 

 

これに関連して思い出したのは、映画『イニシエーション・ラブ』。

(以下『イニシエーション・ラブ』のネタバレあり)

主人公の男性は、学生時代は太っていたが、社会人になってから

痩せて別人のようになったと言う映像を見せ、それぞれ別の俳優が演じるのだが、

そこがトラップになっていて、実は2人の男性は本当に別人だったと言うオチ。

原作小説の叙述トリックを、上手に映像化して成功した作品で、面白かった。

 

 

「カムカムエヴリバディ 」に話を戻すと、第1部を見ていた限り、

安子がハリウッドのキャスティングディレクターになる予兆は

全くなかったし(英会話は習っていたが、映画好きではなかった)

森山さんが演じた事で「赤の他人」感が強かったと思う。

 

これも「朝ドラあるある」で、女性の半生を描く場合には、

若い女優に無理矢理老け役をさせるか、途中で交代させるかの2種類あり、

前者は、老けメイクが不自然(例「とと姉ちゃん」)だが、

後者は、俳優が変わる事の違和感(例「カーネーション」)がある。

それらを避けるには、無理して長い時間を描かずに、

話のスパンを短くする(例「あまちゃん」)と言うパターンもあるが、

半年間、ネタ切れにならず続けるのが大変、と言う面も出てくる。

 

 

個人的には、ドラマなんだから、安子さんには、

餡子に関わる仕事をしていて欲しかった気はする。

アメリカで餡子のお菓子を広めるのは難しいだろうけれど。

 

 

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安子さんの選択した職業を含め、ハリウッド映画パートは

ちょっと説得力が弱かったなぁ〜と思っている。

 

私は、松重豊さんが切られ役として画面に出てきた時から

「この人は『ラストサムライ』の福本清三さんぽいな」と思っていたので、

途中から、最後の方に松重さんのハリウッド映画デビューが

あると予想していた。そこに、ひなたの英会話も関係してくるだろうと。

 

松重さん初登場時のツイッター画像、会話相手はプライバシーの為、伏せました

 

 

 

また、私は、昔の日本映画がアメリカでカルト化した有名例を知っていたので、

初代の『黍之丞 妖術七変化 隠れ里の決闘』がアメリカで密かに

ウケていたとか、そう言う流れになっていたのかな、と予想していた。

殺陣がすごいので、伴虚無蔵と桃山剣之介にカルト的な人気があったとか、

そんな事を想像していた。

 

日本映画のカルト作の実例を具体的に言うと、

勝新太郎の『子連れ狼』が『SHOGUN ASSASIN』として

アメリカで再編集され、その残虐さから人気が出たと言う話で、

また、2002年ハリウッド映画『ロード・トゥ・パーディション』の原作が、

漫画「子連れ狼」にインスパイアされた作品だと言うのも有名である。

 

下記のサイトによると、2016年に『子連れ狼』のリメイク話もあった様子。

KILL BILL』も『子連れ狼』の殺陣を参考にしてるらしい。

www.buzzfeed.com

 

しかし、ハリウッドの映画人が来て作ったのは

ちょっと陽気な「サムライ・ベースボール」だったので、

時代劇の殺陣が出る幕ないのではないか、と思った。

(タイトルだけだとB級コメディ感があるし)

確かに、ハリウッドで真面目に人を斬る映画を作れば暗いし、

ベースボールは「カムカム」のサブテーマなので納得はいくものの、

アニーのキャスティングディレクターと言う職業も含め、

リアリティが薄い気がしてしまった。

それに、筋肉のなさそうな五十嵐が、ハリウッドの

アクション監督(補佐)に抜擢と言うのもなぁ、

などと思ってしまった。

 

 

ラストで、ちょっと失速した気もしたが、

個人的に「カムカムエヴリバディ 」は、今まで観た

朝ドラで一番好きな作品である事は間違いない

(次は「ちりとてちん」)。

最初は観てなかった「カムカム」第1部もNHKオンデマンド

全部観たし、藤本さんの過去作「ちかえもん」も観た。

「黍之丞のテーマ」が好きなので、その為に

サントラを借りようかと思っている。

 

カムカム英語と時代劇、餡子とジャズ、足袋とベースボールなど、

和洋折衷の魅力が唯一無二の作品だった。