アメリカン・コメディ好きの部屋

アメリカのコメディとコメディアンが好きです。時間がある時に更新します。

最近のジム・キャリーあれこれ

私は2015年に、『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』の日本公開にあわせて、ジム・キャリーについてロフト系のトークイベントを主催した経験があります。その後も、自称「ジム・キャリー研究家」として、ジム・キャリーについて定点観測をしております。一時期はかなり元気が無かったジムですが、最近は調子よく芸能活動しているようです。

 

『帰ってきたMr.ダマー』以降について

 

2015年以降、ジム・キャリーはテレビドラマをメインに活動していました。以前の記事にも書きましたが、「Kidding」というドラマに主演、「I'm Dying Up Here」というドラマのプロデューサーになりました。どちらも2シーズンまで続いたようです。前者はゴールデングローブ賞の主演賞にノミネートされたそうです。後者はアメリカの有名なクラブ「COMEDY STORE」の実話を元にしたドラマで、個人的な思い入れが強そうなドラマでした。

 

ドラマ製作の途中に出演した映画作品もあります。1本は「マッドタウン」という邦題で、NETFLIXで配信されていました。これは主役がジェイソン・モモアで、ジムはちょい役でした。浮浪者のようなボロボロの格好で演じていたと記憶しております。キアヌ・リーブスも出てました。食人族がいる世界でのスリラーとラブロマンスを描いてるという事ですが、私は細かい内容は忘れてしまいました……。

 

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もう一本は『ダーク・クライム』という犯罪映画。2019年に「未体験ゾーンの映画たち」というイベントにて劇場公開されました。私はその後、配信されたのを観ております。こちらは主演作品ですが、シャルロット・ゲーンズブールと共演していました。ノワールっぽい映画で、こちらも余り内容を覚えておりません。ジム・キャリーってモデル体形だからスーツが似合うなぁ、と思った事だけは覚えています。とにかく暗い話だったので、脳が理解するのを拒否していたのかもしれません……。

 

2020年に入ってからは、日本でも公開されている『ソニック・ザ・ムービー』の悪役ドクター・ロボトニックを演じていました。こちらは久々に「マンガっぽいジム・キャリー」が観られて良かったです。2022年には続編も作られ、更にマンガっぽく分かりやすい悪役を演じておりました。

 

ジム・キャリー 対トランプ

 

話は過去に戻りますが、ジム・キャリーはトランプが大統領になってから、ツイッターでトランプ批判と取れるイラストを多数、投稿しておりました。以下の記事にまとまっていますが、かなりの量ですね。

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それを踏まえた上で、2020年11月、アメリカ合衆国の大統領選挙をひかえた年、SNLは秋から始まる新シーズンで、ジム・キャリーをトランプの対抗馬であるジョー・バイデンを演じるキャストとして迎えると、大々的に発表しました。

 

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ジョー・バイデンは別のSNLキャストも演じた事があり、人気があったのは「テッド・ラッソ」などでおなじみのジェイソン・サダイキスが演じる陽気なバイデンでした。その為、ツイッターでは「ジム・キャリーじゃつまんない。サダイキスが良い」という声も上がっていたと記憶しています。

 

SNLは、アレック・ボールドウィンが演じるトランプの物真似が人気で、日本でも「トランプの物真似が話題になっている」と新聞記事で紹介されていたのを見た事があります。その物真似は、見ているとイラッとしますが、変に愛嬌もあって癖になります。その物真似トランプが出ているコントで私が大好きな物がありますので、以下に紹介します。

 

まず、元ネタとして「NATOで他の首脳がトランプをバカにしていた場面が撮影されていた」というニュースがありました。

 

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元の事実自体が面白いのですが、SNLでは「NATOのカフェテリアでイケてる首脳がトランプをバカにする」という内容になり、アメリカの学園映画のノリで再現するという味付けになります。カナダとフランスの首脳は、実際にトランプより若くてカッコいいですから、面白いです。

 

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トランプの物真似自体は人気でも、番組のスタンスは基本的に民主党寄りで、トランプが大統領になった2016年には、コメディアンのデイブ・シャペルが反トランプのスピーチをした事で話題になりました。会場はお通夜のような雰囲気だったとネット記事で読んだ記憶があります。しかし4年後、2020年の大統領選でトランプが負けてバイデンが勝ち、SNLもお祝いモードになりました。

 

ここでジム・キャリーが一世一代のヒットをかまします。サムネイルでも分かりますが、トランプに対して「LOOSER(負け犬め)」と言う侮辱のポーズをするのです。これは『エース・ベンチュラ』でジムが使っていたギャグのひとつで、久々の「ウザさ全開」、大ウケしました。

 

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90年代のアイコンとして再評価

 

このスケッチのお陰で、ジム・キャリーへの再評価の機運が高まったのか、最近、SNL系のコメディアンが自分のドラマの中で、ジム・キャリーをネタにする機会を目にするようになりました。

 

一つ目はNETFLIXで配信されている「Girls5eva/ガールズ5エバー」。これはSNL出身のティナ・フェイが製作者の1人になっているドラマで、アメリカではPeacockという配信サービスで放送されていました。PeacockはSNLを放送しているNBCの系列の配信サービスで、NBCロゴマークが孔雀である事から、その名前になったと思われます。

 

「Girls5eva/ガールズ5エバー」は、90年代に一発屋だったガールズグループが、20年後にアラフォーで再結成する話です(正確には99年にデビューの設定)。シーズン1の第5話、メンバーの1人が、過去にソロで「マスキカル」というミュージカルに主演した事がある、という話になりました。「マスキカル」とは『マスク』のミュージカル版の事で、かなりバカバカしい内容でした。同じくSNLの現メンバーのボウエン・ヤンがゲストで出演していて、個人的には神回と言って良い内容でした。

 

二つ目はSNL出身のアンディ・サンバーグが主演する「ブルックリン99」。シーズン8の第2話、99分署の署長とそのパートナーがカップル存続の危機を迎えている中で、主人公のジェイクや99分署の仲間が2人を復縁させる為に画策する回でした。後半の方に、ジェイクが「リスクヘッジ」と「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を語呂合わせで語るシーンがありました。ドクター・ロボトニックについても言及してましたので、一応これもジム・キャリー ネタですね。

 

アンディ・サンバーグは過去に『俺たちポップスター』という主演映画でも、『エース・ベンチュラ』の特徴的な動きを真似をしていた事があります。DVDを調べたところ、開始30分を過ぎたあたりで、主人公のコナーがアムステルダムアンネ・フランクの家のトイレを勝手に使って、怒られるシーンにありました。「『エース・ベンチュラ』さ」という字幕付きなので間違いはないです。

 

また、日本では放送されていませんが、2022年に、アメリカでは『ケーブル・ガイ』のセルフ・パロディCMも作られていたそうです。視聴率の高いスーパーボウルにあわせて、ネットの会社が特別に作ったCMのようです。

 

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最後に、NETFLIXにはコメディ系の配信がたくさんありますが、2022年に配信された「ダーティ・ダディ ボブ・サゲットに捧ぐメモリアルスペシャル」にジム・キャリーが出演してたので、興味がある方は観てください。収録の場所は、ジムの製作したドラマ「I'm Dying Up Here」の舞台になった「COMEDY STORE」で、仲間とリラックスしているジム・キャリーの様子が観れます。元気そうで良かったです。

 

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