アメリカン・コメディ好きの部屋

アメリカのコメディとコメディアンが好きです。時間がある時に更新します。

今更、テラスハウスの靴下事件を推理する

なんだかんだ書いているが「テラスハウス」はやはり面白かった。

きちんと作り込まれた映画やドラマにはないハプニング性と、

脚本家には思いつかないような意外な行動や台詞、答えがでない

余白部分があるところなどが、スリリングで面白いのだと思う。

 

田中優衣さんの記事を書くために、久々に軽井沢編を見返したが、

最後におこった靴下事件と手繋ぎ事件は、

本当にしょーもないなぁ、と改めて痛感した。

 

この「しょーもない事件」とは、軽井沢編の45話で配信されたもので、

女子大生の田中優衣(以下、ユイ)と元サッカー選手のアイオ、

モデルの卵のマヤの3人が、同居人である雑誌モデルのリサコを

「信用できない人物である」と糾弾する内容。

リサコが信用できない理由として挙げられたのが、

「靴下事件」と「手繋ぎ事件」であった。

しかし、どちらもリサコにしたら、身に覚えのない出来事。

 

ユイ、アイオ、マヤの話を総合してまとめると、

「靴下事件」は、リサコがお土産として、キャラ物(ミニオンズ)の靴下を

「信用してるから、あなただけにあげる。他のみんなには言わないで」

と言うような事を言って、ユイやアイオに渡したが、後日、

マヤも同じ靴下を履いていたので、裏切られた気がした。(特にアイオが失望した)

 

「手繋ぎ事件」は、リサコがアイオに靴下を渡した時に、リサコがアイオに

次回デートする時に「手を繋いでいいよ」とか「ふっていいよ」などと

シナリオを相談した。台本がないのがテラスハウスなのにおかしい。

ざっくりまとめると、こんな感じである。

 

ユイ、マヤ、アイオの話はごちゃごちゃしていて、辻褄が合わないが、

(ちなみに、マヤは全て、他の2人からの伝聞で判断している)

事件そのものはカメラには映っていないので、

視聴者にとっては、どちらの言い分も決定打に欠ける。

 

しかし「手繋ぎ事件」について説明した後、

アイオが、リサコを信用しなくなった結果として話した出来事が、

本放送で配信されていたので、アイオの言う話と、

実際の出来事を比較する事ができた。

それによって、リサコとアイオ達、どちらの言い分が信用できるかが、

なんとなく見えてきたのである。

 

アイオ達の主張はこうだ。(46話より)

「靴下事件によって、アイオはリサコを信用できなくなり、好意がなくなったので、

アイオは、リサコを2回目のデートに誘わず、断る事にした。

以前に打ち合わせした手を繋ぐ話を無視して、カメラの前で

アイオはリサコを突然ふったので、リサコは『えっ、マジで言ってんの?

言ってた話と違う。リサコ、モテない女みたいじゃん』と言った」

 

しかし、実際に配信された映像を観ると、印象は全く違う。

42話の開始から9分を過ぎたくらい、アイオがリサコをプレールームに

誘ったところからの出来事なのだが、部分的にはしょってまとめると、

2人の会話はこんな感じだった。

 

アイオ「今週の日曜日、サッカーの試合って言ってたじゃん」

リサコ「最初の頃に言ってたね」

アイオ「めっちゃ前に誘ったと思うけど、今一緒に行きたい人が別にいて」

リサコ「うん(誰の事か)わかる」「呼び出してまで言わないでよ。でもいいじゃん」

アイオ「忘れてたかもしれないけど」

リサコ「ちょっと忘れてた」「えーいいなーリサコも恋したいー!」

アイオ「誘ってこようかな」

リサコ「行ってきなよ」

 

リサコは終始笑顔で、アイオもリサコの様子を伺いながら

笑顔でやりとりを終えていた。

 

この会話が、記憶と思い込みを頼りにすると

「シナリオを無視され、アイオにフラれて、リサコは恥をかいた」

と言うストーリーにすり替わるのである。

どう考えても、アイオ達がおかしいだろう。

 

 

もともと、リサコは笑顔が可愛くて、モテる女性である。

入居前には「自分から男性を好きになった事はない

(=相手から言い寄られる)」と言っていたし、

退去時にも「自分から誰かを好きにはならなかった」と答えていた。

余談だが、韓国のテラハと言われる恋愛リアリティショー

「ハートシグナル」をアベマビデオで観たが、第一印象で人気が集まる女性は、

みんな「地顔が笑顔」の女子ばかり。シーズン1から3まで全員そうだった。

やはり笑顔の可愛い子は最強なのである。

 

 

以上をもとに、靴下事件を私なりに推理すると。

靴下を渡された頃、アイオはリサコが好きだった。

リサコはソウタは苦手だったが、アイオとは話しやすかった。

男子全員の靴下を買わなかったのは、ソウタの分を

買うのが気まずかったから。(俺のメガネをみる会を断ったので)

女子メンバーのマヤとユイには、最初から靴下を買ってきていたが、

「全員の分は買ってないから、内緒にしてね」と言うような話が

「信用してる人だけに靴下を買って来た」と言うような

話にすり替わったのだろう。

 

そもそも、アラサーのファッション誌モデルが、ミニオンズの

キャラクターの靴下を「信頼の証」として渡すなんて、

そんな子供っぽい事をするだろうか?

靴下のお土産くらいで「信用する、しない」と言う話になるところが、

社会人経験の少ない、ユイ、マヤ、アイオならではだなぁと

しみじみ思うのである。

 

私の最終的な推理(?)はこうだ。

ユイ、マヤ、アイオは、テラスハウスの生活が終盤になり、

カップルも定着してきたので、暇だった。

暇だから、その場にいないリサコの噂話をしていたが、

3人とも思い込みと、うろ覚えの記憶から、

「リサコは表裏がある(芸能人だし、愛想いいし)」

でも、「(素人のうちらは)本心でテラスハウスに住んでいる」

みたいな話になったのだろうなぁ、と思うのである。

 

まぁ「本心でテラスハウスに住んでいる」と言う表現は、

現在、ヤラセが問題になってる番組の出演者の言葉なので、

「本心な訳ないっしょw」と言うツッコミが入りそうだが、

「愛想がいい人」「八方美人っぽい人」が「誰にでもいい顔する」と責められ、

「ぶっちゃけキャラ」「毒舌」が「本音を言ってて信用できる」

であるかのように受け止められる事は、割と良くある。

後者は単に「配慮がなくて雑」なだけの場合も多いのだが……。

 

ガキンチョ3人から言いがかりをつけられ精神崩壊したリサコは、

その後、休日課長ことマサオの包容力に助けられ、

地獄のテラスハウス生活をなんとか乗り切っていく。

マサオみたいな「誰も責めない」人が同居人にいて

本当に良かったな、としみじみ思う次第である。

私は、配信当時、マサオが見せる知性と暖かさに泣いたので、

マサオの優しさだけは「やらせ」ではなく「ガチ」だと確信している。

マサオに素敵な彼女が早く見つかるよう祈ってます。