アメリカン・コメディ好きの部屋

アメリカのコメディとコメディアンが好きです。時間がある時に更新します。

「バチェロレッテ」観た。毎度のネタバレ長文感想。

アメリカンコメディ好きの部屋、と言いながら

リアリティショーの感想が多くてすみません。

 

「バチェロレッテ・ジャパン」シーズン1を観た。

「バチェラー・ジャパン」の男女逆転版で、今回は

1人の独身女性が、大勢の男性の中から1人の相手を選ぶパターン。

「バチェラー」の方がリアリティショーとして先に製作された本家だが、

「バチェロレッテ」の方が、より古典的な舞台設定だと思う。

 

「バチェラー」のように、ハイスペ男性を「勝ち取る」ために

女性達が争う物語は、あまり聞いた事がない。

源氏物語」のように、1人の男性が多くの女性をものにする話はよくあるし、

王子に選ばれると考えれば、女性側からはシンデレラ・ストーリーとも言えるが、

「シンデレラ」は手練手管でライバルを蹴落とすのが主眼ではない。

しかし、「バチェロレッテ」のように、

高貴な女性を守ったり、美しい女性を勝ち得るために、

複数の男性が争うというのは、様々な物語の原型になっていると思う。

 

複数の求婚者の中から、たった1人の男性を選ぶと言うのは、

女性向けラブストーリーの基本なので、

「バチェラー」よりも「バチェロレッテ」の方が

違和感なく、安心して観れる物語であると、私は思う。

 

ダイバーシティをインプルーブする女性 それが福田萌子

 

今回、日本初の「バチェロレッテ」に選ばれたのは福田萌子

モデル、スポーツトラベラーと言う肩書きで、世界を飛び回っているらしい。

 


『バチェロレッテ・ジャパン』ー無敵の超セレブ/ 福田 萌子

 

9頭身で抜群のスタイルを持ち、実家が超お金持ちらしい。

2010年にはミス・ユニバースの日本大会で3位になっていると言う。

アマゾン・プライムの自己紹介動画で、萌子さんは

「バチェロレッテになぜ選ばれたと思いますか」と言う質問に対し、

「今、日本はダイバーシティをフォーカスしていて、

そこをインプルーブしようとしている。

そんな中の女性像として選んでくださったのだと思う」と答えている。

正直、何を言ってるかわからないが、

「ぶっちゃけ、大金持ちだからですかね〜」と自分で言う訳にはいかないし、

無理矢理にでも社会情勢と絡めて答えるあたり、

ミス・ユニバース仕込みの模範回答」なのかなぁ、と思う。

 

ダイバーシティ」などと言われると、

都民ファースト」だの「ウィズコロナ」だの

やたらと横文字が多い「小池百合子み」を感じてしまうが、

萌子さんは海外を飛び回っていると言う事なので、

自然と英語が出てしまうのであろう。

我々庶民とは、考えている事が違うのである。

 

萌子にアタックする17人の愉快な面々

 

今回、高嶺の花である萌子さんにアタックするのは、

 実業家、歌手、画家、サーファー、モデルなどなど

バラエティ豊かな男性陣。

「バチェラー」の時も様々な肩書きの女性が集まったが、

女性の場合は若くて綺麗ならば、肩書きが重要とは思われず、

1シーズンに1人か2人、印象に残る職業の人がいたかな〜、

と言うレベルの気がしている。

(ちなみに、私がパッと思い出すのは、料理研究家の柏原さん、

イラストレーターのまみさん、ホステスの水田さんあたり)

 


『バチェロレッテ・ジャパン』ー 『逆玉か、玉砕か!? 』編

 

この「バチェロレッテ」の予告、「男女逆転」と「サバイバル」で

ホラー映画の予告のような仕上がりになっているのが面白い。

おどろおどろしくて固い口調の女性のナレーション、

要所要所で鳴るドドンという太鼓の効果音、

バラではなく血痕(結婚のダジャレ…な訳はない)が飛び散るのも不気味。

おそらく、萌子さんのキリッとした女王様のような見た目と、

よしながふみ原作の漫画「大奥」(=男女逆転)的な

イメージでまとめたのだろうな、と言う気がした。

 

余談だが、映画版「大奥」の予告を検索した所、

将軍の寵愛をうけようと着飾った男たちが、自分たちの事を

自虐的に「我らは金魚じゃ」と語っているシーンがあり、

画家の杉田陽平さんがローズセレモニーで金魚のイラストを

持ってきたのを思い出した。

もしかしたら、同じ事を考えていたのかもしれない。

萌子さんの肖像画も「タイタニック」のローズの肖像画

元ネタだと言う噂だし、杉ちゃん、引き出しが豊富である。

 

 

最後の3人は誰が選ばれても面白かった…はず

 

今回、配信スケジュールがやけに短く、

最初に一気に4話分まとめて配信され、

残りも2話ずつを1週間ごとに配信、

合計5週間で全てのエピソードが配信されてしまった。

 

なので、この感想も途中は端折って、

最後の決断周辺へ急ごうと思う。

 

最後の3人に選ばれたのは、実業家の黄皓さんと、

歌手の當間ローズさん、画家の杉田陽平さん。

當間ローズさんはブラジルと沖縄とイタリアの血が

入ってるという濃い顔のイケメン。鍛え上げた体と甘い歌声、

萌子さんへの愛の言葉とハグが、ごく自然に出てくる素敵な男性。

萌子さんより年下で、駆け出しの歌手なので、

これぞ「逆玉」という感じの男性だったが、実家訪問の後に脱落。

 

とはいえ、ローズさんは脱落前に、萌子さんへの愛の歌を

配信の中で一曲まるまる歌い上げる事ができ、

プロモーションとしては大成功だったと思うので、

これからも頑張れよ〜、という暖かい気持ちで見送る事ができた。

 


『バチェロレッテ・ジャパン』 ー愛と筋肉のハイブリッド/當間 ローズ

 

 

残る2人は実業家の黄さんと画家の杉田さん。

 

黄さんは、中国人でありながら、日本語ペラペラ。

早稲田大学に進学し、三菱商事に入社、その後、

父親の上海の会社を手伝いながら、自らの事業を立ち上げるという、

釣書だけでオッケーが出せそうな実力者。

「萌子、この人が本命じゃないの? もうこの人でいいよ」

と、観る前から視聴者を納得させる肩書きの持ち主。見た目も男らしい。

 


『バチェロレッテ・ジャパン』 ー僕はバチェラーの親友/黄 皓

 

本編を観ると、黄さんは、男性参加者にマウントをとるシーンなどあるが、

この番組に必要な「男の戦い」を上手に演じてる感じがあって、

「おぬし、あっぱれ」と言いたくなる。

萌子さんとの温泉デートの感想を部屋の中で語るシーンでも

わざわざ上半身裸のまま答えていて(リアルに考えると不自然すぎる)、

番組の演出にのってくれる良い人なのだと思われる。

 

ちなみに、なぜ裸なのかの理由は「温泉デート」の裸のシーンの合間に、

部屋での「インタビュー」のシーンが交互に出てくるため、

視聴者の思考の流れを止めないための工夫だと推測する。

洋服姿と裸が交互に出てくるより、同じ格好の方がすんなり見続けられると言う訳。

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不自然すぎる裸インタビューに笑う

 

もう1人の男性は画家の杉田陽平さん。

私は、配信前に男性全員のインタビューをざざっと見た時

杉田さんの自虐的なインタビューが面白かったので、

「この人、残って欲しいな」と思っていた。

 


『バチェロレッテ・ジャパン』 ーアートで愛を奪い取れ/杉田 陽平

 

 

「僕はうずまきナルトみたいなもの」と言う自己分析と

「質問なんでしたっけ」を言うタイミングが良い。

密かに注目していたが、杉田さんは一番最初の

ローズセレモニーでガチガチすぎたので、

「これは、残っても最後の4人くらいかな〜」と予想していた。

 

ナルト VS 餃子 中華対決を制したのは?

 

私は萌子さんの本命は黄さんの方だと思っていた。

それは、今までの「バチェラー」シリーズを観て、

頑張ってアピールしてる人よりも、

大してアピールせずに残ってる人の方が強い、

と感じていたからである。

シーズン1の愛ちゃん、シーズン3の岩間さん、

要は、選ぶ側が好みのタイプだと、

チャレンジャーが必死に頑張らなくても、残っていくからだ。

 

萌子さんは、実家訪問の時も、

杉ちゃんの家ではカジュアルな格好だが、

黄さんの時には割とドレスアップした格好で訪問し、

仲良く餃子作りをしていたし、

黄さんとの朝デートと杉ちゃんとの朝デートを比較しても、

黄さんにはセクシー系のシチュエーションだが、

杉ちゃんには友達としての距離感を保っているように見えた。

 

また、温泉デートの時に「黄さんにも選ぶ権利がある」

と言ったり「リスクマネジメントやめない?」と迫ったりして

黄さんの本音を知りたそうにしていた。

 

「どちらかに決断できない」という決断

 

結局、2人のうちどちらも選ばない、と言う決断をした

萌子さんだったが、まぁ仕方ないかな〜、と思う。

黄さんには男性を感じるが、黄さんからの情熱を感じない、

杉ちゃんには男性を感じないけど、好かれてるし居心地が良い、

それらが萌子さんの考える「結婚相手」に当てはめた時に、

どちらも違うと感じてしまったのかもしれない。

 

いち視聴者からすると、

黄さんといる時の萌子さんはオフィシャルな感じで、

「クールビューティな萌子」像にふさわしいが、

杉ちゃんといる時の萌子さんは、自然体で

「少女のような萌子ちゃん」という雰囲気で、

とても可愛らしかった。

 

多分、萌子さんの本来の性格は可愛らしい女の子で、

大人っぽいクールな女性、と言うのは後天的に

獲得した社会的な仮面のようなものだと思う。

周囲から期待されてる萌子像(と本人が思っている姿=

ダイバーシティ云々)と本質とのギャップである。

 

そう言えば、スタジオトークの時に男性出演者から

「『見て見て、お空が綺麗〜』と言う萌子さんの

しめした空が、曇り空でよく分からなかった」

と言う意見が出ていたが、

杉ちゃんなら萌子さんが何を言っても否定せず、

さらに面白い事を付け加えられる感性があると思うので、

杉ちゃんと一緒になったら萌子ちゃんが幸せじゃね?

という気はする。余計なお世話だが。

 

萌子の結婚をはばむ存在

 

萌子さんの恋愛観、結婚観について、

印象的な発言がいくつかあった。

 

まず1つは「両親が初恋同士で結婚した」と言うもの。

父親が理不尽な事を言っても母は受け流してる、

と言うような話もしていた記憶がある。

もう1つは杉ちゃんとの最後の方のデートで

「運命的な彼がいたけど突然フラれた。理由が分からない」

「愛を失うのが怖い」と言うような話。

 

最初の発言について、黄さんは

「ウチの両親も初恋で結婚して仲良しなんだよ」

と言っており、また、最後の決断のシーンで萌子さんは

「初対面から黄さんを男性としていいなと思っていた」と言っていた。

だから、黄さんから萌子さんを思う熱い気持ちが

伝わっていたら、選んでいたかもしれないな、と思ったが、

最終的に黄さんが泣きながら「人を好きになるのが怖かった」

「好かれる方が楽だと思った」と言うような発言をしたので、

運命の相手ではない(=運命の相手なら同じ波長で惹かれるはず)

と感じたような気がした。

 

2つ目の発言も重要で、「運命だと思ったのにフラれた」

「理由が分からない」と言う事は、普通に考えれば、

元彼を引きずっている、と言う事である。

過去は美化されるものであり、また、

理由を理解できなければ、囚われてしまうものである。

杉ちゃんに関しては、最初から男性としてではなく、

画家の才能に惹かれている、と考えているようなので、

「すごく好きだけど、結婚相手とは違う」と

判断したのだと思う。

 

しかし、断る時、あれだけ苦悩してるところを見ると、

萌子さんならぬ“萌子ちゃん”は「杉ちゃん大好き」と思ってるだろうから

「そんな堅苦しく考えないで、いっぺん付き合ったらええやん」

などと、下世話なアドバイスをしたい気持ちになった。

 

萌子さんは何度も「結婚相手を選ぶんですよ。

そんな軽い気持ちでは選べない」と言っており、

「確信がなければ選べない」と言うのも一理あるが、

付き合ってみないと分からない事もある訳で。

それこそ萌子さんの口癖の「経験値」が上がって

何か変わるかもしれないのに、失敗を恐れているから

踏み込めないんだろうな、と思った。

 

スペシャルなセレブの萌子さんには

余計なお世話に違いないし、

ゴクミとアレジ、道端ジェシカとバトンみたいに

こちらが「グゥ」の音も出ないような

スペシャルなお相手と今後も出会うに違いないが、

「お空」「お家」「お花」と言う言葉が似合う、

メルヘンでファンタジーな萌子ちゃんが喜びそうな相手も

大事にして欲しい、そんな気もするのである。

 

 

追記*2021年の年末、萌子さんに彼氏ができたらしいと、

ネットのまとめサイトに上がっており、萌子さんも

「富士山で出会いました」とインタビューに答えていた。

まとめサイトによると、井出川さんと言うマウンテンバイクの選手らしい。

その人の写真を見た時、私は

「萌子さん、スギちゃんは全く好みのタイプじゃなかったんだな〜」

と思いました。無理なものは無理、と言う事で。

 

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