アメリカン・コメディ好きの部屋

アメリカのコメディとコメディアンが好きです。時間がある時に更新します。

追悼 木村花さん

 「テラスハウス TOKYO 2019−2020」に出演中だった

プロレスラーの木村花さんが亡くなられた。

テラスハウス」に出演した事で、ネットの誹謗中傷に苦しみ、

自ら命を絶ったと言う報道がされている。

 

誹謗中傷の原因になったと言われるのが、

テラスハウスで花さんがおこした「コスチューム事件」。

花さんが、同居人の小林快さんと言う男性に怒り、

彼のかぶっていた帽子をはたくシーンが、

「暴力的だ」と問題視されたのだ。

 

誹謗中傷をうんだ木村花さんの「コスチューム事件」

 

「コスチューム事件」のいきさつは、こうだ。

ある日、花さんの大事なプロレスのコスチュームを

同居人の快さんが間違えて洗濯、乾燥してしまい、

衣装が縮んで着れなくなった。

ダメになった衣装を発見した花さんは号泣。

テラスハウスの住人達の前で快さんに詰め寄る。

花さんの剣幕に恐れをなして、呆然としている快さんに向かって、

花さんは「ふざけた帽子かぶってんじゃねぇ」と

快さんのかぶっていた帽子をはたく。

そして、快さんはテラスハウスを卒業してしまう。

 

現役プロレスラーの花さんが、

同居人に暴力的な言動をした事で、

彼女は非難の的となった。

また、花さんと快さんは事件直前まで、

お互いに恋愛感情を持っていたようにみえたため、

花さんの豹変ぶりは、衝撃的であった。

 

この事件はネットフリックスの有料配信で3月末に放送され、大炎上。

その後、フジテレビの地上波でも5月半ばに放送され、再炎上、

バッシングを苦にした花さんは5月末に亡くなった。

 

文春砲炸裂 テラスハウスの「やらせ」問題

 

しかし、7月に入り、週刊文春

テラスハウス」にやらせが横行していた事、

フジテレビの番組作りに問題があるのではないか、

と言う記事が載った。

コスチューム事件は、スタッフが花さんを誘導した「やらせ」で、

炎上を狙ったフジテレビの番組づくりを非難、

花さんのお母さんが「娘はフジテレビに

殺されたようなものだ」と証言したのである。

 

その後も文春砲は炸裂し、花さんに帽子を飛ばされた

小林快さんも、実名でテラスハウスの「やらせ」を証言。

快さんはコスチューム事件で非常に落ち込んでいたが、

花さんが亡くなる前に連絡を取り、仲直りをしていた。

また、花さんの件以外に、スタッフが出演者に対してプレッシャーを

かけたり、誘導する事は日常茶飯事であり、

「スタッフが求めてるのは恋愛とハプニング、そしてSNSでの炎上を狙っていた」

と証言したのであった。

 

 

私はリアリティショー好きで、テラハも毎週楽しく観ていたが、

番組の演出とネットの誹謗中傷に悩み、命を絶った出演者が

出てしまっては、今後、楽しく観る事は難しいと感じている。

また、週刊文春は昔から読んでおり、

テラスハウスが過去にやらせを報じられた2014年頃の記事も

その時に読んでいたし、多少の演出、指示のようなものが

存在する事は理解していたが、花さんに関しては、

スタッフが大失敗したなぁと感じる。

 

文春の記事によると、コスチューム事件の時、スタッフが花さんに

「プロレスラーなんだから、あんなやつ、殴っちゃえば?」と

彼女に暴力を振るうよう促したそうである。

この指示を受けて、花さんは番組を盛り上げるために

快さんに怒鳴り、被っている帽子をとばしたのだそう。

 

 

悲劇の理由は、素の彼女が暴力的だと思われた事

 

 

確かに、普段テレビで観るプロレスラーは、アントニオ猪木しかり、

鬼嫁の北斗晶しかり、暴言やビンタと言った、

暴力的な行動をとる事がある。しかし、それは相手が

猪木を崇拝してる若者だったり、北斗の夫の佐々木健介だったりするので、

バラエティ番組のお約束感、互いの上下関係が存在してるように

見えるため、違和感は少なく、笑いにつながる事もある。

受け手が納得して受け入れてるように見える事で、

本物の暴力とは思われないのである。

 

しかし、花さんと小林快さんに、上下関係はない。

それに「テラスハウス」はバラエティ的な装飾をせず

(=大げさなテロップや笑い声などを使わない)

ドラマやドキュメンタリー風の自然な映像を使用しているので、

花さんの行動は純粋に「スポーツマンが素人に暴力、暴言を振るった」

ように見え、「スポーツ選手として不適格」であり

「一歩間違えばパワハラ、DV」に見えるような、

そんな内容になっていたのだった。

 

花さんは女子プロレスの人気と認知度を

高めるためにテラスハウスに入居した。

「素敵な恋愛がしたい」と言ってはいたものの、

 プロモーションのために出演していた訳で、

現役のプロレスラーとして、攻撃的な姿を見せたのは大失敗であった。

スタッフはテレビ的な感性で、プロレスラー=ビンタと

思ったのだろうが、視聴者は「テラスハウス」での出来事を

普通のバラエティ番組にある「お約束の仕草」とはとらえず、

花さんの「素の態度」として、うけとったのである。

 

花さんは、去年の年末にはテラスハウスを卒業したかったらしいが、

スタッフに引き止められたと言う。

仕事だから、契約があるから、仕方なく出演していた訳だが、

番組の演出によって、視聴者からは

テラスハウスに居座ってる図々しい暴力女」と思われてしまった。

また、コロナで撮影が中断した事により、

花さんの卒業時期も延期になり、そのあいだに、

SNSでの誹謗中傷が激化して、悲しい結果を生んでしまった。

 

 

木村花さん以前にも、誹謗中傷が集まった女性メンバー

 

話は変わるが、私がテラスハウスを初めて観たのは

ネットフリックスの「ハワイ」編であった。

そこからさかのぼって、「(旧)東京」編、「湘南」編、映画版を観て、

その先からは、リアルタイムで「軽井沢」編と、花さんの出ていた「2019-2020」

まで視聴して来た。初期はリアルタイムではないが、コンプリートして観ている

割と熱心な番組のファンである。

 

「ハワイ」編を初めて観た時に、すごく不思議だったのは、

卒業のタイミングが人によってマチマチなのと、

スタジオメンバーの山里さんが、テラハが大好きなのに

パリピっぽい出演者(=ほぼ出演者全員)は大嫌いな事だった。

 

山里さんに関しては、山里さん個人の嗜好だと理解しているが、

やはり気になるのは「卒業」の時期についてである。

「ハワイ」編を観た時、私が一番気になったのがシェリーという登場人物。

彼女はバークレー大学を出て、ハワイのミスコンにも出た才色兼備の女性。

不動産の営業をしているキャリアウーマンというふれこみだった。

 

彼女は外交的で、恋愛にも積極的、いくつも見せ場を作ったが、

ハワイ編の終盤には、終始、不機嫌そうな顔つきになり、

スタジオメンバーから「常に酩酊してるように見える」と

言われるようになった。

 

キャリアウーマンからラウンジスタッフへ? シェリーの場合

 

シェリーはどうやら、テラスハウスに入居した後で、

転職をしたらしく(多分、ハウスの立地の関係で)

ハワイ編の同居人チカコの2017年のブログでは、

シェリーはSKYワイキキで働いてる」と書いてあった。

あれっ? 不動産のバリキャリ営業じゃなかったっけ……?

 

ameblo.jp

 

SKYワイキキとは、ハワイ編でシェリーがロシア人と

キスをしていた場所で、おしゃれなレストラン・バーらしい。

シェリーは、SKYワイキキで接客をしていたようで(シェリーのインスタから推測)

そこで、恋の相手のロシア人や、大富豪らと出会っていたのではないかと思われる。

シェリーは、仕事でお酒を飲んだ後、テラスハウスに帰って来て、

そこから撮影をしていた為に、なんだか不機嫌で、

疲れた顔になっていたのではないかと思われる。

 

そういう状況の中、ある日、シェリーが

新しく入居したマリコに意地悪なことを言った為、

マリコが泣いて、家族会議が開かれた。

その時のチカコとシェリーの言動に大いに引っかかる部分が

あったのである。

 

まず、チカコが事件のあらましを語るが、

「こんな風にする(=家族会議)つもりでもなかったんだけど」と

言うのである。

そして、遅い時間に帰って来たシェリーは

「この家の出来事にinvolveしたくない」と言う。

これらの発言を聞いて、私はこう思った。

チカコはスタッフから「家族会議をやれ」と言われて断れず、

シェリーは「テラスハウスを卒業したいけど引き止められている。

うんざりしてるから、関わりたくない」と思っているんだろうな、と。

 

結局、この家族会議のおかげで、シェリーはますます不機嫌になり、

テラスハウス内は険悪な雰囲気になって、

最後まで仲間割れしたまま、ハワイ編は終わりを告げたのであった。

この時、シェリーのインスタグラムには、視聴者からの誹謗中傷が溢れた為、

シェリーのお母さんがコメントを削除していたようだ。

今回の木村花さんの事件の予兆はすでにあったと思う。

 

 

長くなりすぎた為、後編は次の記事としてアップします。