シドニー・スウィーニーさんの主演映画『恋するプリテンダー』と、同じくシドニーさん出演映画の『マダム・ウェブ』を借りて観ました。
私がシドニー・スウィーニーさんを認識したのは、今年のSNLのホストの回を観てからです。このホスト回があるシーズン49は、日本のHULUで配信中だと思いますが、SNLの公式YOUTUBEにも動画がアップされています。
『恋するプリテンダー』は日本公式サイトによると「全世界興行収入、まさかの300億円超え! シドニー・スウィーニー×グレン・パウエル 令和のラブコメ映画史上No.1大ヒット!」という事で、ラブコメ映画に限定すると令和史上No.1ヒットだそうです。配信ではなく、劇場公開されるコメディ映画自体が減ってますし、なかなかの快挙だと思います。
シドニーさんの名前は、ゼンディア主演のドラマ「ユーフォリア/EUPHORIA」で見かけていました。「ユーフォリア/EUPHORIA」にはジャド・アパトーの長女モード・アパトーが出演しているので、気になっている作品ですが、Wikipediaをみると、結構シリアスな内容なので、視聴が後回しになっています。
シドニーさんは動画や公式サイトを見てわかる通り、メリハリのきいたグラマー体型なので、SNLでは「HOOTERSのウェイトレス」というスケッチを演じました。HOOTERSは日本にもあるカジュアルレストランで、ロゴの「OO(ダブルオー)」が女性のおっぱいを暗示しており、ウェイトレスは谷間が見える制服を着ています。リンク先のスケッチも、胸がある店員とない店員では客からの扱いが全然違う、という分かりやすい内容になっています。
そんなシドニーさん主演の『恋するプリテンダー』はオーストラリアのシドニーをメインの舞台にしたラブコメで、広大な海や山を背景に、グラマー美女とマッチョなイケメンが薄着で体をはったギャグを演じつつ、恋に落ちるというような内容でした。
大自然の風景とフィジカルなギャグシーンが印象深く、その組み合わせが個性的な作品でした。恋愛ドラマ部分はシェイクスピアの『から騒ぎ』を元にしてるそうですが、2000年ごろの学園映画「恋のからさわぎ」が、シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』が原案だという話を思い出しました。
余談ですが、シドニー・スウィーニー主演で、舞台がシドニーというのは、ダジャレなんでしょうか? のちのち観客が「あの映画、なんだっけ…シドニーが舞台のやつ…」となった時に、「そうだ、シドニー・スウィーニー主演だった!」と思い出せるので、そういう意味で親切だなぁと思いました。
その後『マダム・ウェブ』も借りて観ました。こちらは、公開前からあまり評判が良くなかったように思います。舞台は現在ではなく、Y2K(2000年ごろ)で、ビヨンセの2003年発売のアルバム広告が映っていました。また「ブリトニーの新曲だ!」というセリフとともにシドニー・スウィーニーさんがブリトニーの「...Baby One More Time」っぽい格好で踊るシーンがチラッと映ったりして、懐かしい雰囲気でした。
映画の感想としては、1本の映画として完結してる感じがなく、シドニーさん含む3人の少女のお披露目映画という印象でした。3人の少女は、のちにスパイダーウーマンとして活躍予定だそうなので、女性のヒーローを増やして、女性の観客を獲得したいんだろうなと思いました。
『マダム・ウェブ』の続編や『スパイダーウーマン』の映画が作られるかは、興行成績次第なんでしょうね。
話は変わりますが、『マダム・ウェブ』の主演ダコタ・ジョンソンさんが映画の公開にあわせて、SNLでホストをした時のスケッチがあります。これもシーズン49で、シドニーさんが出演するより前ですね。
この動画は「Please Don't Destroy」というコメディ集団が演じてるスケッチになります。簡単に説明すると、SNLの放送のために「Please Don't Destroy」の3人がネタを考えている楽屋に、スターであるダコタ・ジョンソンがやってきて会話を始めたら、険悪なムードになり、お互いをディスりあうという内容。題名になってるRoastはスラングでからかう、批判するという意味があります。
正直『マダム・ウェブ』よりも、↑このSNL動画の方が私には面白かったので、この動画のお笑いポイントを以下に解説します。
1、「Please Don't Destroy」はSNLの中でオタクポジションの3人組。アメリカではNERDと呼ばれ、非力でモテないタイプと見られる。3人のうち2人が業界2世で、メガネのマーティンの父親はSNL出身のアダム・サンドラーと長い間、仕事をしていたそう。
2、このオタク3人組がダコタ・ジョンソンにむかって「(SNLのスケッチで)僕らの1人が君の彼氏役を演じようと思っていて…」と言うと、ダコタが「えっ彼氏役? ありえな〜い」と鼻で笑う。
3、ダコタはナチュラルに3人を見下しており、「本当は‘’ロンリアー・アイランド‘’に会いたかった」などと3人にとって痛いところを突いてくる。ロンリーアイランドとは、過去にSNLのレギュラーをつとめていて、同じようにビデオ作品をよく作っていた、売れっ子の先輩のこと。ダコタが微妙に名前を間違えている事もギャグのひとつ。
4、ダコタと3人はお互いをおおっぴらにディスり出す。
まず、3人がダコタに「『マダム・ウェブ』の主演スター様、共演女優のシドニー・スウィーニーを紹介してくれよ」と煽る。ダコタは「DADDIO(父親の幼児語)」というダコタの映画の題名から、3人に対して「あなたの仕事は、お父さんからもらったの?」と言う。
後者は業界二世がいる3人組に対して、同じく両親が俳優(ドン・ジョンソンとメラニー・グリフィス)で親の十四光なダコタが言うからギャグになっている。(追記 メラニー・グリフィスさんは『鳥』のティッピ・へドレンの娘なので十四光以上でした)
5、その後、「NEPO TRUCE」と言って、4人のうち、3人がアメコミっぽく、指輪を合わせた誓いのような動作をするが、NEPOとは、「NEPOTISM(縁故主義)」の略でTRUCEは「休戦」という意味だそう。「NEPO TRUCE」に参加できなかった1人だけ、親が業界人ではない、というのもギャグ。
6、最終的に、3人が「僕らはダコタが大好きだ」と言うと、ダコタは「そうね、私もあなた達が好き。だって‘’ワーカホリックス‘’はよく見てたから」と答える。これを聞いた3人は「I HATE YOU!」と怒って、THE END。
「ワーカホリックス」は、別のお笑い芸人達が主演していたシットコムの題名。「ワーカホリックス」のドラマは日本では配信されてないが、主演3人のうち2人(アンダース・ホームとアダム・ディヴァイン)は映画やドラマに単体で出てるので、知ってる人も多そう。
ロンリーアイランドに続き、また違う芸人の代表作の名前を出されて、ダコタが3人に全く興味がない事があきらかになって終わる。
背景を知ってないと笑えないネタですが、相手がダコタ・ジョンソンだから成立していて、面白かったです。
SNLは来週の土曜日、9月28日からシーズン50が始まるそうで、予告動画も配信されてます。大統領選挙のある年なので、製作陣は気合が入ってると思います。以前にトランプが勝った時はSNLがお通夜状態になっていたので、カマラ・ハリスに勝ってほしいところです。