アメリカン・コメディ好きの部屋

アメリカのコメディとコメディアンが好きです。時間がある時に更新します。

テラハ、田中優衣さんに思う事

木村花さんの記事の続きですが、タイトルは続いていません。

 

 

makarena3.hatenablog.com

 

 

軽井沢の天使こと田中優衣さんの場合

 

テラスハウスで、もう一人、誹謗中傷の的になったのは

「軽井沢」編の田中優衣さん。

地元の軽井沢に住んでる女子大生で就活中、と言うふれこみで入居した

彼女は、ぽっちゃり体型で素朴な外見の女子。

 

テラスハウスは、最初の舞台設定が海の近くだったせいか、

水着の似合うスレンダー女子やモデルの入居がほとんどなのだが、

田中さんは素人感あふれる異色の存在。

入居当初は、スタジオのこじらせ男子、山里さんも「天使!」と絶賛、

「優衣ちゃんを傷つけたら許さないぞ!」と鼻息を荒くしていた。

 

しかし、この田中さん、処女を公言し、清楚で真面目な素朴女子のはずが

自分のお気に入りの男性にライバルが現れると、対抗心を

むき出しにする為、第一印象とは違い、かなり気が強そう。

 

田中さんに対しては、早い段階から、ネットのバッシングも酷かったようで、

テラスハウスの出演中に、中傷されて泣いてるシーンも放送されたが、

泣いていた割には最終日まで卒業せず、2018年4月から12月の放送終了まで

長期滞在し、視聴者からの批判を浴び続けたのであった。

 

田中優衣さんが卒業しなかった理由

 

木村花さんの事件に関連して、田中さんが

週刊文春のインタビューに答えていたので、読んでみたが、

色々興味深かった。

 

bunshun.jp

 

この記事によると、卒業しなかった理由は

「もし私が耐えられなくて炎上している真っ最中に卒業をして家に帰ったら、

実家を特定されて家族にまで被害が及ぶかもしれない」から

と言う事らしい。う〜ん、ピンと来るような、そうでもないような。

 

田中さんには田中さんの言い分(建前?)があると思うが、

一視聴者から見た田中さんは、

「就活よりもリアリティショーに出る事を優先した女子大生」で

テラスハウスで素敵な彼氏を作って、

自分の恋愛の見せ場を作ってから、卒業したい人」のように見えた。

しかし、就活も恋愛もなかなか結果が出ない為、

結果として、ズルズルと居座ってしまっただけに思えた。

 

「恋愛とハプニングと炎上」それがテラスハウス

 

テラスハウス」は表向きには恋愛メインとうたってはいないが、

小林快さんの証言通り「出演者の恋愛とハプニング、および炎上」を狙って

番組作りをおこなっており、視聴者もそれらを期待していると思う。

 

文春のインタビューによると、田中さんの言い分は「喧嘩もしたけど、

仲が良い場面は使われなかった。意図的に嫌なシーンを切り取られていた」

「自分はモンスターでも天使でもなく、普通の子です」という感じの論調で、

確かにこれはその通りなのだと思う。

 

裏を返せば、普通の子である田中さんが、普段は接点のない、

芸能系やスポーツ系のタレントたちと出会える場所として、

テラスハウスのメンバーでいるのが楽しかったし、

テラハの視聴者にもいるであろう

「ドラマみたいな恋したい」「ヒロインになりたい」気持ちで

参加し続けていたというのが、田中さんの本音ではないかと思う。 

 

「ドラマみたいな恋」「ヒロイン願望」を感じる瞬間

 

田中さんから「ドラマみたいな恋」願望を感じる事はいくつかあった。

田中さんが一番最初に好きになったノアと言うハーフのモデルの男性。

彼に一目惚れしたグラビアアイドルがいて、田中さんのライバルだったが

別の同居男性から「ノア君と優衣ちゃん、お似合いだよね」

と言われた途端、田中さんは急に自信をつけて、

グラビアアイドルに対して、見下すような視線を送る。

 

他人から見て「お似合い」と言われても、

肝心のノアの気持ちはどうなのか分からない訳で、

結局、田中さんもグラビアアイドルもふられる訳だが、

三者目線を重視してるな、と言うのは別の時にも感じた。

 

ある時、田中さんは、カイトと言うスケートボーダーとのデートをした。

41話で、このデートの様子の配信をメンバーと一緒に観ていた

田中さんは「自分がデートしてる姿、凄く楽しそう」と

言う感想をのべるのである。これもなんとなく妙である。

 

多分、田中さんは「自分がこの人を好きか」よりも

「他人から見て素敵かどうか」を重視してるようで、

その辺の発言からも「ヒロイン願望」「恋愛ドラマの主人公気分」を

強く感じたのであった。

 

「史上No.1天使」から「クズ界のプリンセス」に堕ちた理由

 

「おぼこい天使」として入居した田中さんだが、

この素朴な女子大生というキャラクターは、

スタッフの指示だったのではないかな〜と私は疑っている。

 

外見は素朴だが、実際はかなり気が強い筈の田中さんは、

番組終盤で元プロサッカー選手のアイオと仲良くなる。

ここからアイオと田中さんの素敵なロマンスが

発生するように思えたが、最終的には視聴者の予想を

裏切るトンデモ展開が発生し、結果として田中さんは

山里さんから「クズ界のプリンセス」(山チャンネルvol.46)

と言う不名誉な称号を受け取ることになる。

 

www.youtube.com

 

トンデモ展開については実際に観た方が面白いので、本当は書きたくないが、

必要なところを、かいつまんで説明する。

まず、アイオと田中さんは、カメラのないところで

すでに、キスやお泊まりを経験済みだった。

それを隠してテラハのカメラ前では、恋愛初期の

ウブなカップルの姿を演じていたのである。

 

しかし、田中さんもアイオも素人で演技が下手なため、

2人のデートシーンはわざとらしく、セリフも極めて嘘くさかった。

特に45話、アイオから近所のバーで「好きになっちゃった」と

言われた田中さんは「えっ、何この流れ。告白じゃないよね」と言い、

さらに「わかった、そういうつもりで生活する」と

奇妙な返答をするのだが、これは、私には、暗に田中さんが

「こんなバーじゃなく、もっと素敵な告白シーンをやり直せ」と

アイオにダメ出しをしてるように見えたのである。

 

これは私の想像だが、例えば、田中さんの誕生日であるクリスマスに、

ディズニーランドのシンデレラ城の前で告白されてキス、とかの

ベタなドラマのハッピーエンドみたいな、

特別なものを期待してるように思えた。ヒロイン願望である。

なにせ田中さんは、同じ軽井沢のメンバーのショウヘイという歌手に

「告白するなら教会がいいよ」と提案したベタな思考の持ち主である。

クリスマスにディズニーは、まさにヒロインと言う感じでツボだと思う。

 (撮影許可もらうのが大変そうだが)

 

 

しかし、その後、アイオの自白により、嘘をついていた事がばれ、

追い詰められた田中さんは、テラハ史上最大の下ネタ発言をし、

どこがピュアな女子大生やねん、と全視聴者からツッコミを受け、

大炎上したのである。

 

田中さんの場合は、木村花さんとは違い、

スタッフが強要した事で炎上したのではなさそうだが、

わざわざ終盤になってから、同居人の陰口を言ったのは、

スタッフから「何か揉め事がないか」と聞かれた可能性はあると思う。

さらに、アイオが嘘をついていた事を自白したのは、多分

スタッフから指示が出たのだと思う。アイオには自白するメリットが全くないので。

 

その後、アイオと田中さんは改めて「交際申し込み」シーンを撮るのだが、

田中さんの格好は、部屋着にすっぴんのまま、

アイオからは、なぜか首が折れたバラの花を差し出される始末。

田中さんもカメラを意識してか、口では「ありがとう」と言ってはいたが、

内心「こんな筈じゃなかった…」と思ってるように見えたのだった。

 

テラハスタッフの技術があれば、

いくらでも素敵なシチュエーションで撮影できるのに、

わざとしょぼい格好で告白シーンを撮るのは、

嘘をついていた出演者に対する見せしめのようで、

スタッフの意地悪さを感じた。

 

嘘つき女、田中優

 

田中優衣は嘘つきだ」と視聴者に強く印象付ける一連のシーンがある。

46話で、田中さんは、テラハの同居人であるミュージシャンの休日課長と

一緒に卓球をしに行き、そこで課長が田中さんにある質問をする。

 「優衣ちゃんとアイオくんはどこまで進んだの?」

 

それに対して、田中さんは「キスしてないですよ〜」

「だってぇ、キスって恋人同士がするものじゃないですか」

「キスしたいと思った事がない」などと答える。

 

しかし、このシーン、実は前後が入れ替えられていて、

卓球から帰って来た日の夜の映像が先に流れている。

田中さんはジャージ、休日課長がベージュの上着を着てリビングにいる所で、

同居人のマヤとカイトが、アイオと田中さんの仲の良さをからかうのだ。

アイオの予定を知らないと言う田中さんに対し、マヤとカイトは

「(知ってる癖に)ウソつくな」「ウソつけ!」とはやし立てる。

 

そのシーンが終わり、昼間の映像に変わる。

普通に観てると、翌日の事のように見えるが、

田中さんと課長の格好は、さっき着ていた服と同じ。

そして、田中さんは課長に「アイオとキスしてない」と証言する。

 

それらの「ウソつけ!」→「キスしてない」の前振り映像の次に、

アイオが「実は俺と優衣ちゃんはキスもしたし、その先もした」

と自白するのである。

 

時間軸を入れ替えて、重要な出来事を印象づける、

これはテレビの編集としては当たり前なのだろうが、

テンポよく見せる事で「田中優衣はもの凄い嘘つきである」と

視聴者に強烈に印象づける形になる。

リアルではなく、リアリティショーだから、

事実よりも、面白さ重視である。

 

 

私が思うに、田中さんが嘘をついた理由は単純で、

「ピュアな私」がテラスハウスで素敵な恋愛シーンを撮りたかった、

「他人から羨ましがられる素敵な恋」を演じたかったからではないか。

しつこいが、「ヒロイン願望」のなせる技である。

 

 

テレビは欠点も美点も拡大して映す拡大鏡

 

テレビカメラは人々の視線を固定し、美点も欠点も

拡大して映す、拡大鏡のようなものだと思う。

欠点もある普通の女子である田中さんや、

プロレスラーという肩書きのない素の木村花さんは、

大嘘つきでも暴力女でもなかったんだろう。

 

  

大勢のスタッフが「より分かりやすく」

「より興味をひくように」「より面白く盛り上げよう」

とした事によって、出演者が深く傷つき、

絶望するような結果になってしまった事実(=リアル)を

ちゃんと記憶していたいと思う。