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アメリカン・コメディ好きの部屋

アメリカのコメディとコメディアンが好きです。気が向いた時に更新します。

バチェラー・ジャパンが面白過ぎた(完全ネタバレ長文感想)

 Amazonプライムのオリジナル配信で「バチェラー・ジャパン」を観た。

バチェラーとは独身男性の意味で、アメリカで製作された「The Bachelor」という人気リアリティ番組がもとになっている。アメリカ版は21シーズン制作され、225カ国以上で放送された超人気番組。今回、その日本版をAmazonとワーナーブラザーズ、YDクリエイション(吉本興業電通が組んだ会社)などで製作し、2月から、週一でエピソードが配信され、4/28に最終回が配信された。

 

 


【バチェラー・ジャパン:コンセプト解説】男1人vs女25人の恋愛リアリティ番組

 

 

番組のコンセプトは、お金持ちの独身男性1人を、独身女性25人が奪い合うと言うもの。最後の1人に選ばれた女性とバチェラーは結婚の約束をするらしい。「結婚は顔と金の等価交換」フェミニストの小倉知加子先生も言っていたが、金持ちに群がる美女達の壮絶なバトルが見られるとは……うん、これはゲスな興味が惹かれる番組でゲスよ。

 

日本版のバチェラー第1号に選ばれた久保裕丈さんは、東大卒のイケメンで、アパレル系サイトの元社長だそう。「結婚以外は全てを手に入れた男」だそうで、期待大。

その久保さんと結婚するために集まった、25人の美女達は、モデル、女優、着付師、女子大生といった面々。中にはウェイトレスや愛犬家、カレーショップ店員という肩書きの人もいて、「……要するにフリーター?」と思ったりしたが、華やかなドレスに身を包んだ女性達が並んでる姿は、なかなか壮観だった。

 

 

mdpr.jp

 

 

「プロ彼女」軍団とリアリティ・ショーの落とし穴

 

 

 

この参加女性達「一般公募で選ばれた」というふれこみなのだが、配信が始まった頃にネットに流れた情報によると、どうやら、8割くらいがタレント事務所に所属しているようだった。

 

全員の肩書きを芸能活動寄りに書くと「モデル&読者モデル&レースクィーン8人」「アイドル5人」「女優&女優見習い3人」「タレント2人」「グラビアアイドル1人」「ダンサー兼シンガー1人」「美容研究&音楽活動1人」「ミスコン優勝者1人」。その手の情報がなかったのは「ネイリスト1人」「事務1人」「大学院生1人」のみ。

25人中、一般人っぽい人は3人くらいになってしまう。

 

 

ここで「ハイハイ、やらせやらせW」と納得して終了する人も多いだろう。

 

 

しかし、もし、自分がこの番組の制作側だとしたらどうだろうか。世界的に大人気の老舗リアリティー番組の日本版第一弾。絶対に失敗できない。そうなると、完全な素人を使うよりも、タレント経験のある人の方が色々とコントロールしやすいのではないか。タレント経験がある方が、TV撮影される場合の段取りも分かる。仕事上の守秘義務も守れるだろうし、事務所所属の女性なら、本人のバックグラウンドも分かっている。当たり前だが美人やスタイルの良い女性が多く、被写体としても映えるだろう。

 

また、番組に出る女性達にとっては、最後の1人に選ばれなくても、番組に出る事によって名前と顔が売れる可能性がある。うまくいけば玉の輿、悪くてもブレイクのきっかけになるかもしれない。お互いにメリットがあるから成立してる事なのだと思う。最近話題の「プロ彼女」も、この手の半芸能人みたいな人達なんだろうなぁ、きっと。

 

しかし、この番組側と出演者側にとってのメリット、逆に考えると、リアリティ・ショーに必要な「本物のリアクション」が引き出せるのか、という不安にもつながる訳で。お仕事半分のタレントばかりだと番組が盛り上がらないのでは? と当初は思っていた。リアリティ・ショーの落とし穴である。

 

 

matome.naver.jp

 

 

鶴愛佳の「わたしは女優」感

 

 

 期待と不安に胸をふくらませながら配信を観始めたが、いくら美女とは言え、25人も女性がいると、最初は誰が誰だか見分けがつかなかった。場違い感が凄かったギャルのゆきぽよだけは一発で覚えたが、つぎつぎと現れる美女の群れ……10人も続くとさすがに飽きる

 

そんな中、女優の鶴愛佳さんは「名前が鶴なので」とメッセージ付きの折り鶴を手渡し、バチェラーにも視聴者にも記憶に残る、良い先制攻撃をしかけてきた。よく言えば和風美人の彼女は、この後も色々と印象に残る行動をした。バチェラーにベタベタしすぎて女性陣からブーイングを受けたかと思うと、バチェラーと話す事ができなくて泣いてる子を見かけたら、その子の為にバチェラーに助言をしたり……。

 

この「泣いてる子がいるから、彼女と話してあげて」という鶴さんの行動、私は観ていて笑ってしまった。ライバルを助けてあげる良いシーンなのだが、彼女の言動がいちいち芝居がかっているのだ。イイ女を演じてると言うか……。

 

別の女性と2人で話してるバチェラーの元へ行き、その女性を追い払う。その後、バチェラーと2人になったところで「泣いてる子いるよ、向こうで」。それに対してバチェラーが「嘘、誰?」と聞くと「○○ちゃんの前に、誰があなたの横にいたの?」。誰だか分かったバチェラーが彼女を捜しに行くと、その後ろ姿に聖母のような微笑みを向け、そっと立ち去る……こんな思わせぶりで手の込んだ言動、普通の人はしないよ! 役者かよ!(あ、女優さんでしたね)「キャラメルボックス」という有名劇団の俳優教室出身だけあり、つねに観客を意識した行動をとっていて、お見事。染み付いてるのでしょう。

 

 

他にもぶりっ子でバチェラーに気に入られるも、腹黒い行動で女性陣をいらつかせる柏原歩や、美人だけど気が強く、勝負に敏感な岡田ゆり子、見た目が派手なのに、気が弱くてすぐ泣く豊島はるか、など、人数が半分くらいに減って来たあたりからグンと面白くなってきて、毎週の配信が楽しみになってきたのだ。

 

 

 

バチェラー久保は本当に富豪なのか?

 

 

 

沖縄でマリンスポーツを楽しんだり、ヘリで空中デートをしたり、温泉で混浴したり、日々楽しくデートしながら、毎回、誰かが脱落していく。女性陣にとっては天国と地獄を味わう日々。バチェラーは毎回「辛い決断」「厳しい決断」と言いながら、バッサバッサと女性を切り捨てて行く。

 

連日のデート場面を観ていた視聴者の中には「久保さん、アクティビティ(=遊び)重視しすぎW」と言う感想も出て来た。確かに真面目に結婚相手を探しているのであれば、一緒にスポーツして楽しく遊べるかは余り重要ではないだろう。しかし、これはテレビ番組。動きのあるスポーツや景色の綺麗な場所でのデート、観光スポットに行くのは視聴者へのサービスである事を忘れてはいけない。

 

さらに、デートの舞台となった「南の島を貸し切り」「ロボットレストラン貸し切り」「ヘリコプターデート」等は久保さんのポケットマネーで行っている訳ではないだろう。久保さんは、アパレルサイトの売却により数億の資産があるのでは、とネット上では推測されていたが、テレビ番組の為に自腹を切らされる出演者と言うのは、ありえない。アメリカの資産家であれば、自家用ヘリや別荘、豪邸の類いを持っている場合もあり、そういう人達の真似をさせられているだけだろう。金持ち演出である。久保さんは「ハイスペックイケメン」ではあっても、うなるほどのお金を持ち、一生遊んで暮らせるような、大金持ちではないのだと思う(注 小市民の見解です)。

 

 

 

婚活は美人コンテストではない

 

 

※ここから先は勝敗につながる完全ネタバレなので、番組を楽しみたい方は読まないで下さい。

 

 

25人いた女性が最後の3人までに残った所で、デート三昧の日々は終わりを告げる。本国の「The Bachelor」では、最後に残った3人と寝てみて身体の相性を確かめるらしいが(に、肉食……)日本ではそんなの無理だから、3人の実家訪問をする形式になっていた。最後の3人に残ったモデルの古賀あかねさんは、スタイルがよく華やかな雰囲気で、バチェラーと並ぶと非常に絵になる美女だった。しかし、元ヤンらしく、語彙が「スゴい」「ヤバい」「スゴい」「ヤバい」だけで形成されていて、東大卒とはどう考えても不釣り合い。

 

バチェラーも「最初は『あわねーなー』と思っていた」らしいが、良いところまで勝ち残ったので、古賀さん本人もいつしか本気で結婚できると思っていたようだ。番組内でも「私が一番いい女」と答えていたが、結婚や婚活は美人コンテストではない。相手の男性と生活を共にしていく中で、育ちの違いは無視できないだろう。

 

 

例えば、日本語を含めた三か国語が話せる人間と、日本語しか話せない人間がいたとしたら、三か国語話せる人間が日本語しか話せない相手に合わせるのは当然である。できる相手ができない相手に合わせる事はできるが、できない相手ができる相手のレベルに合わせるのは不可能なのだ。勉強したり努力して身につける必要がある。

 

彼女はそこで落とされていたが、もし勝ち残ってバチェラーの実家に連れて行ったら、絶対に悲惨な事になっていたと思う。バチェラーの実家のご両親は非常に上品な方達で、ユーモアもありそうだが、笑えない展開になっていた筈である。

 

 

 

全力投球の森田さんと、見た目が幼い蒼川さん、勝者はどっち?

 

 

 

そんな競争の中で最後まで勝ち残った美女2人。1人は政経学部の大学生、蒼川愛さん、22歳。前髪をまっすぐおろしたショートボブが似合う、きゃしゃで幼い雰囲気の女性だ。正直「ギラギラした女の争い」には似つかわしくない、可愛らしい女性であるが、バチェラーからは「一緒にいて癒される」「ついつい目で追っちゃう」とかなり気に入られている事が分かるコメントを貰っている。

 

対抗馬はウェイトレスの森田紗英さん、24歳。彼女に対してバチェラーは最後の方で「正直言うと、毎回、落とすかどうか迷っていた」とコメントしていた。では、なぜ彼女は敗退しなかったのか。それは、彼女が最初からバチェラーこと久保裕丈のことが大・大・大好きで、とにかく本気で勝負していたからである。

 

森田さんは最初の頃、バチェラーからまったくデートに誘われず、ウジウジし続けていた。デートに行く他の女性に嫉妬し、バチェラーには「バラ下さい!」と直訴するもやんわり断られる。周囲の女性メンバーは、そんな森田さんを見て「彼女よりは私のが上」と見下すコメントをする。前述した鶴さんがバチェラーと話せなくて「泣いてる子いるよ」と言ったのは、実は森田さんの事。「メソメソ泣いてる女の子」が前半の森田さんだったのだ。

 

 

 

一視聴者からしても、メンタルが心配になる森田さんだったが、シーズン後半で形勢逆転をする。それは「大好きなおばあちゃんが撮影中に亡くなったんだけど、リタイアするのが嫌で頑張っている」「おばあちゃんは私の花嫁姿を見たがっていたから、リタイアしたら天国のおばあちゃんに怒られる」とバチェラーに告白したからだ。自分もおばあちゃんが大好きなバチェラーは、思わず涙ぐんだ。このエピソード以降、バチェラーは森田さんを評価するようになり、結果、最後の2人にまで残ったという訳だ。

 

その他にも、デートに行けなかった女子メンバーの不満の矛先が森田さんに向かい、いじめられて泣いてしまったり、大自然の中で「久保さん、だ~い好き〜」と叫んだり、まるで「少女漫画のヒロイン」を地で行く彼女。視聴者から見ても「彼女は本気で久保さんと結婚したいんだな」と言う熱意が伝わる女性だった。

 

 

 一方の蒼川さんは、特に目立った動きがなかったが、バチェラーと最初に2人でデートした時に、バチェラーから「考えずに話せる」とコメントされる。これは重要なひと言である。つまり、他の女性陣に対してバチェラーは「この子には何を話そうかな」と気を遣って考えながら相手をしている、という事である。これは疲れる

 

 

 

所詮、日本の男はロリコン……なのか?

 

 

 

今回、芸能人崩れ(失礼)の女性達ばかり集まっている「バチェラー・ジャパン」において、なぜ蒼川さんとだけ自然に話せるのか、それには2つの大きなポイントがあると思う。

 

 

 

ひとつは、蒼川さんが若くて「結婚、恋愛に焦っていない」から冷静でいられる事。

ふたつめは、蒼川さんは早稲田の学生だから、東大卒とレベルがあっている事。

 

 

 

ひとつめの点について。30代の参加者女性はどんどん落とされ、最後まで残ったのは20代ばかりだった。20代には精神的余裕があるが、30代には「恥をかきたくない」という見栄があって、テレビ的に面白い行動がとれなかったから落とされたのではないか。好きな気持ちよりも、思い切りぶつかった時に失敗するのが怖い気持ちの方が勝っていて、腰がひけていたのではないか、と想像するのである。

 

バトルが終わった後の暴露番組内で、30代のKONANさんという出演者が「久保さんは若い子が好きなんですか?」と質問をした時に、自ら「老け感出てたんちゃうかな」と自分の事を語っていたが、若くて行動力のある20代女性と、老け感を気にしてる30代女性では、年齢ではなくメンタルの部分で負けている気がするのである。(テレビの絵面的にも若い方がいいという理由も、おそらくある)

 

ふたつめの点については、蒼川さんの実家訪問の頃に(本編ではなく今田耕司トーク・セッションの時だった気がする)で「良い大学に入った」と匂わされていたが、大学名は明かされていなかった。番組だけ観ていた視聴者には分からないが、この学歴は他の美女達にはないものであろう。久保さんは、蒼川さんにだけは自分のレベルを下げずに会話する事ができたのである。若くて可愛くて話が通じる女性……蒼川さんは久保さんにとってパーフェクトに近い女性だった筈である。おそらく。

 

 

 

視聴者が応援したくなる女性と、バチェラーが好きな女性は違う

 

 

 

久保さんが蒼川さんを選んだ時、彼女の見た目の幼さから「うわ、ロリコンW」とがっかりした視聴者がいたり、「森田さんのが結婚に前向きなのに、見る目ない」と言う感想がネットで見受けられた。

もし、これがリアリティ・ショーではなく、恋愛ドラマであったなら、バチェラーのために必死で努力し、泣いたり笑ったり、祖母の死を乗り越えたり、というドラマが豊富な森田さんが選ばれるであろう。

蒼川さんは、非常に可愛らしいが、優等生タイプなのか、テレビカメラ前で大きく感情をあらわにした瞬間がない。もともと、怒ったり落ち込んだりしていても、大きな感情表現をしない人なのかもしれない。そもそも、彼女がバチェラーの事を好きなのかも、実はあまり伝わってこない。結婚する気があるようにも見えないし……。

これは、視聴者からすると応援しがいのないタイプである。

 

 

しかし、バチェラー久保目線で見れば、蒼川さんといる時の表情や台詞で蒼川さんしかいないな、というのはよく分かるのである。「自分が」一緒にいて居心地がいい、と言った相手は蒼川さんしかおらず、他のメンバーに関しては「彼女は」こんな所が魅力的ですよね、と言う客観目線の意見を述べているのである。

 

 

さらに、恋愛においては、相手の事を好きすぎるのは失敗の元である。なぜなら、芸能人とファンの関係(=崇拝)に近いものになるからである。これは、相手の方が魅力が高く、自分は魅力が低いですよ、と言ってるのも同じ。やはり、お互いに気持ちの釣り合いが取れているか、もしくは男性の方が好きな量がちょっと多いくらいが、カップルやパートナーになりやすいと思われる。

 

 

 

と、言う事で納得の結果であった。(むしろ森田さんが勝ってたら、ヤラセを疑うぞ)

 

 

 

蒼川さんも実は元地下アイドルで、豊島はるかさんと同じ事務所の女性だった。早稲田在学中の地下アイドル……かなり異色である。

 

 

もし、蒼川さんが参加してなかったら、他に久保さんに似合う女性はいたのかな、と考えた時、岡田ゆり子さんは多分実家がお金持ちのお嬢さまではないかと思われ(なぜなら着付けやフラワーアレンジが得意だったから)、悪くなかった気がするが、彼女もバチェラー久保の事が好きになり過ぎていて、追いつめすぎていたので、本命は無理かなぁ、と思う次第である。

 

 

 

 

今回のシーズン1の配信が、日本のプライム・ビデオにおいて視聴率ナンバー1だったそうで、シーズン2の製作も決定したそうだが、男女とも参加者募集中なので、我こそはという勇者は応募してみてはいかがかな。

 

 

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